【前回のあらすじ】

あきら、体は大丈夫そう?

正直運動不足が祟って
筋肉痛になりそう…
前回の探検を知りたい人はこの道を曲がってね
またあの立て看板がある

死闘、そしてその後…
Naviに連れられ道を南下する。
ただ静かな足音だけが響く夜道…しかし、そのリズムを崩すように紛れ込んできたのは波の音。
さっきまで草木の匂いしかしなかったはずなのに、先の方から潮の匂いも漂ってきた。

海だ…
自然と足が速くなり、ただ音のする方向を目指して道を進むと広々とした原っぱに出た。
その真ん中、そのあたりにはいくつかの光る物体が見える。

なんだろ、あれ…

行ってみよ?
好奇心が僕の足を早めていく。
あれは一体なんなのか…。
未確認飛行物体!その名も”UFO”
無意識に足音を殺しながら光へと近づく。
それは平たく丸い円盤の形をしていて、薄暗いこの景色の中で銀色に光る外装がやけに美しく眩しかった。

…あ、あ、あああああ、あれって!

UFO…UFOだ…
心臓が嫌な音を立てている。
期待なのか、それとも本能的な恐怖なのか分からない。
とにかく、動悸がすごかった。
浅くなる呼吸に意識をむけ、大きく息を吸ってからカメラを構える。
これを無事に収めてテレビ局に売り渡すことができれば僕の手元には何万円…いや、何十万円が降って来るのだろうか。
そんな期待に胸を躍らせて、僕は一番近くに見える円盤にゆっくりと近づいた。

よし、UFO撮れた
あとは中も撮りたいな…

待ってあきら。
何かいるよ!
第7妖怪(?)発見▶︎カセイジン
UFOの中へ続くはしごの前、そこにいる生き物に視線を向ける。
丸く大きな頭に尖った口、まるでタコのように何本もの柔らかそうな足をウニョウニョ動かす生き物は、まさにタコ…タコとしか言いようがない。


あれってもしかして宇宙人?
見張でもやってるのかな…。

た、多分…宇宙人だと思う。
もしくは火星人…?
本で見た火星人は赤い肌をしていたと思っていたが、彼ら…彼女たちかもしれないが、とにかく肌は赤いわけではなく、まんまるな大きな目は少し愛らしく見える…と思う。
さっき(落武者と)の戦いで正直疲弊しているし、これ以上危ない目に遭いたくない。

どうするあきら…。

人語が通じるとも思えないし
あのタコみたいな手に
拘束される趣味だってないし…。

あきら、あっちみて。
あのUFOの方、見張りがいないよ?
Naviの言葉にすぐ横にあるUFOへ視線を向ける。
隣の円盤の出入り口らしき場所にはカセイジンたちはいなかった。
戦いを避けるとなれば…これしかない。

あ、待って。
とりあえずUFOの写真だけ…!
僕はカメラを構え、円盤型の謎の乗り物を写真に収めた。
そして先に向かうNaviを追いかけるようにもう一つの円盤へと向かった。

忍者スキル発動!静かに中へ▶︎忍び込む
こそこそと身を隠し、はしごを上って円盤の中へと侵入するのは意外と簡単だった。
中に入り、無機質な通路を奥へと進むとそこには【プロフェシー】と書かれたドア。

Navi、ぷろふぇしぃって?

プロフェシー≪Prophecy≫は
「予言」とか「お告げ」って意味だよ
何だろう…予言…占いの館、的な?
予言…どこか不吉な単語に肩をすくめながら、ドアの横にあるボタンを指先で押し込む。
するとドアは音もなく開いた。
Naviと顔を見合わせてから中に入ると、そこはコンピュータールームだった。
ハイテクそうな機械が並ぶ中、一番目立ったのはまるで映画館のスクリーンのような巨大ディスプレイに浮かぶ文字だった。
“コンピュータ占い。あなたの運命をお教えします”
ディスプレイの前に近づくと、画面には1・5・7・9・それ以外と浮かんでいる。

もしかして…
運命数を入れるんじゃない?

そう見たいだけど…
何で僕の運命数の3がないの?
他の奇数は全部あるのにさ!
もぉー!ないよ僕の数字!!と声を上げながら僕は「それ以外」と書かれた場所を手のひらで叩いた。
答えは…”ありえない”
まるで台パンの如く叩かれたディスプレイが一瞬揺れ、画面が切り替わった。
そこに書かれた文字は単純明快な一言。
“ありえない”
ただその一言だけだった。

ありえないって…何が?

さぁね!
この占いの中に3って数字が存在しないのか、この占いがポンコツなんじゃない?
腕を組み、ムスッと頬を膨らませながら呟くも画面は再び違う言葉を表示させた。

3が…存在しない…
僕の言葉にNaviがふと呟いた。
その呟きに視線を向けるも、Naviが目の前の画面をじっと見つめていることに気づき、僕も視線を向けなおす。
そこには新たに文字が浮かんでいた。
画面に書かれた言葉をNaviがなぞるように読み上げる。
君はここにいるはずのない人間
その君がここにいるとすれば、君こそがまさに”紛れもない妖怪”である。
君はこの村の人々に歓迎され、一生をこの廃村でのんびりと送ることとなる。
次に誰かこの村を訪れた時…君は脅かす側になる。
それまで気長に待つことだ。

これで…君の冒険は終わり
もう人間の世界に帰る見込みは…ない
3は…存在しない
あきらの運命数は3…だから

は…?はぁ?!ふざけんなよ!
そんなの納得いくわけないって!
たかが占いが何決めつけてんだ!!
僕が妖怪?もう人間の世界に戻れない?
何ふざけたことを…だって僕と言う人間はここに存在している。
僕は妖怪じゃない…!
違う!僕は人間…人間のはず…。

僕が人間だって
ここで誰が証明してくれるんだ…?
証明してくれる人はNavi以外いない。
でも1人が証明しようとしたところで10人が「君は妖怪である」と口にすれば僕は妖怪なのかもしれない。
僕はもう…帰れない?
モウ…カエレナイ
納得できない…できるはずない。
ありえないと表示された画面を睨むように見つめて僕は考える。
ここまで何事もなくやってきたはずなのに、どうしてありえない…?
僕は人間?それとも妖怪?
いや、人間のはず…人間だ、僕は…人間だ…人間のはずなんだ。

僕は、ちゃんと人間だ!
妖怪じゃない!!
僕は!人間なんだ!と叫んでディスプレイに拳を叩きつけるも、画面が切り替わる様子はない。
何度も何度もディスプレイを叩いているうち、ジジッと音を立てて画面は切り替わった。
もしかしてコンピューターが情報を修正してくれたのか!と希望を持ってディスプレイを見直すも、目に映る現実はあまりにも非情だった。
『住民登録証』
妖怪村役場住民名簿
氏名:あきら

…僕は……妖怪…?
目の前が霞んでいく。
夢なら醒めてくれ。
僕はそう願いながらその場に崩れた。
僕は…人間だ

僕は…にんげん、なのに…

あーきーら!
ほら、しっかりして!
肩を揺すられ頭を叩かれてハッとする。
目の前にあるのはしわくちゃな紙に書かれた何本もの線。

もぉ。
ほら、運命数覚えた?
5だよ、5!
Naviの指先は漢数字で5と書かれた場所を指差していた。
おかしい、バスに乗ってたはずなのに…それにこの風景、なんか知ってる気がする。

5…?あれ…僕の運命数って
5じゃなくて。

もぉ、寝ぼけてるの?
今決めたでしょ?今回は5だからね?

…わ、わかった。
覚えてよ!とNaviはまた僕の肩を強く叩いた。
まるでしっかり覚えなさいと言わんばかりに勢いよく。
…僕の運命数は、5…?
違和感を覚える。
少しだけ頭が痛い。
なんで僕はこんなところに?
そうだ、妖怪を撮るんだってこの村に来て、おばあさんに声をかけて、あみだくじを選んで…。

アミダババア…
目の前に立つ老婆を見つめて呟く。
しかし、老婆はにんまりと笑うだけで横を過ぎ去っていった。
僕はその場に立ち尽くし、星空を見上げながら目を伏せる。

運命数は5
バイオリズム数は…18
そして僕は、老婆を追いかけるように早足にバス停の方へと歩き出した。
次回:何度でも繰り返す輪廻のように

コンピューターは繊細なんだから!
ディスプレイなんて叩いたらダメになっちゃうよ!

あれは叩かざるを得ないって!
台パンもしたくなるよ!!
またしてもBADENDを迎えました…しかも今回はまさかの妖怪認定!
せっかく妖怪として登録するなら、特別な妖怪扱いにしてほしい。

でもあれだね…なんていうか。
ぬ〜べ〜の人体模型を彷彿とさせるような。

自分は人体模型じゃない!人間なんだ!って思ってたけど、鏡で自分の姿を見て本当は何者なのかを知ってしまうやつね。
あの話見てから人体模型に恐怖心抱くようになったよ…。
まさか妖怪にやられるENDではなく、妖怪になってしまうENDなんて誰が予測できたか。
宇宙人に捕まった方が良かったのか…でも今回の終わり方は終わり方で面白かった。

あきらの理想のBAD ENDは?

えーっとね!
素敵なおじさま妖怪にやられるなら
どんなBAD ENDも受け止めるよ!
前は化け猫、今回はコンピューターのバグ…次はどんなエンドを迎えるのかどんな道を進むのか。
果たして素敵なおじさまの妖怪なんてものが存在するのか?
今の所、男(?)妖怪はヤブレガサと落武者しかいない気がする。

ってところで、今回はここまで!
最後まで読んでくれてありがとう!
次回の探検にも乞うご期待!

君も僕と一緒に妖怪にならないか…?
よかったら、前回の記事や別の惑星も巡ってみてね♪




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